決算書ビギナー
決算書って数字ばかりで無理…
簿記学習者
簿記の勉強してるけど、決算書が読めない…
という方、意外に多いのではないでしょうか。
今回ご紹介する書籍『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』はそんな方のお悩みを解決してくれる１冊になっています。
決算書について勉強したいけど難しそうで手をつけられていない方や、
ちょっと手を付けたけど数字ばかりで嫌になって勉強を辞めてしまった方は必見です！
どんな人が書いているの？
まずはこの本の著者についてですが、この本は「大手町のランダムウォーカー」こと、福代和也さんが執筆された書籍です。
福代さんは株式会社Fundaの代表として、企業向けのビジネス研修サービスや、オンラインセミナーを提供されており、SNSやブログなどでも情報発信されています。
特に、SNSで定期的に出題される「会計クイズ」は、難しい会計の世界を楽しくクイズ形式で学ぶことができ、毎度多くの人が参加されています！
今回ご紹介する本は、そんな「大手町のランダムウォーカー」さん（福代さん）が、「日本人全員が財務諸表を読める世界を作る」という信念の元、執筆された書籍です。
（ちなみに、より実践的な内容を学べる、実践編「会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方 [実践編] 」も出版されています。）
どんな人におすすめ？
- これから決算書について学びたい全ての人
- 過去に決算書の勉強で挫折してしまった人
これから決算書について学びたい全ての人
この本、題名に「世界一楽しく」と書かれているだけあって、本当に楽しく、楽に読み進めることができます。
（なぜ楽しく、楽に読み進められるかは、後述の「おすすめポイントは？」でご紹介します）
ですので、決算書（財務諸表）について勉強したいなーと思っている全ての人はまず手に取ってみてほしいです。
本書では、以下の3つの決算書について説明されています。
- 貸借対照表（B/S）
- 損益計算書（P/L）
- キャッシュ・フロー計算書（C/S）
この本を読む前に上の単語を見た私は、
読む前の私
なにそれ？
難しそうだしなんか嫌だな、、
って思っていました。。笑
が、読み終えた今では、
読んだ後の私
貸借対照表ね！
資産・負債・純資産のやつね！
くらいには難なく言えるようになっています。
決算書の勉強をし始めたは良いけど挫折してしまっては元も子もないので、
楽しく、楽に学べる本書は、特に決算書初学者にとってとっても心強い見方になると思います。
過去に決算書の勉強で挫折してしまった人
楽しく、楽に決算書を学べる故に、過去に決算書の勉強で挫折してしまった人にもおすすめです。
私は株取引をしているのですが、勝率アップを目的として、数年前に決算書について勉強してみたときがありました。（その時に学んだことは何一つ覚えていませんが。。笑）
ただ、本やネットを見て、用語や数字について断片的に理解できたとしても、各決算書の意味や、3つの決算書の全体的なイメージが掴めなかったんですよね。
結果、
読む前の私
実際の決算書が全く読めない、、
状態になってしまって挫折した上に、抵抗ができてしました。笑
そこから数年が経ち、抵抗も薄れてきた頃にこの本に出会ったのですが、
そんな私でもこの本なら最後まで難なく読み進めることができて、
実在する企業の決算書も、全体のイメージを持ちながら、かつ数字の背景を意識しながら読めるようになっている実感があります。
ですので、決算書初学者だけでなく、昔に決算書の勉強をしようとしたけど難しすぎて挫折した方にもぜひ読んでみてほしい一冊です。
おすすめポイントは？
上述の通り、本書は楽しく決済書を学べる良書なのですが、
ここからは、特に私がおすすめしたい楽しく学べるポイントを以下の3つに絞ってご紹介します。
- クイズ形式で楽しく読み進められる
- 図解がとてもわかりやすい
- 実際にある企業の決算書で説明されているからイメージが湧きやすい
クイズ形式で楽しく読み進められる
最初のおすすめポイントは、クイズ形式で楽しく読み進められることです。
決算書って、数字ばかりでとっつきにくいですよね。
だからこそ、クイズ形式で楽しく学べるのは、特に初学者にとってはめちゃうれしいポイントです。
本を読む人
次はどんな問題が出るのかな？
とワクワクしながら読み進められるので、気づいたら決算書についての理解が深まっている感じですね。
さらに、ただクイズを出して答えを発表するだけでは終わりません。
この本では、クイズが出題された後に愉快な仲間たちが登場し、一緒に考えていくスタイルになっています。
一人で黙々と問題を解くのではなく、キャラクターたちと一緒に「この数字はこうだから、こうなるんじゃない？」と考えながら進められるので、答えを導く過程そのものを楽しむことができます！
決算書に抵抗がある人でも、「次のクイズも解いてみたい！」と思えるような工夫がたくさん詰まっているので、特に初学者にとってはおすすめのポイントだと思いました。
図解がとてもわかりやすい
続いてのおすすめポイントは図解がとてもわかりやすいことです。
たとえば、貸借対照表には以下の3つの区分があり、それぞれに細かい数値が並んでいますよね。
- 資産の部
- 負債の部
- 純資産の部
特に初めて見る人にとって、この数値だけでは
わからない人
結局、この会社の状態はいいの？悪いの？
という状態に間違いなくなります。
数字だけがズラッと並んでいると、どこをどう見ればいいのか迷ってしまいますし、各項目のバランスがどのくらいなら安全なのか、不安定なのか、初見だと判断するのは到底無理ですよね。笑
そこで、この本では「帯グラフ」を活用し、視覚的にパッと見ただけで全体のバランスがつかめるよう工夫されています。
具体的には、資産の部、負債の部、純資産の部の割合が色分けされていて、一目で「この会社は負債が多いな」「純資産がしっかり確保されているな」といったことがわかるような感じです。
数字の羅列だけでは難しく感じる決算書も、図解によってぐっと理解しやすくなっているのも、この本の大きな魅力の一つだと思います。
実際にある企業の決算書で説明されているからイメージが湧きやすい
世の中にある決算書の解説書の中には、架空の決算書を使って説明しているものが多くあります。
これは、実際の決算書よりもシンプルな形にすることで、初心者でも理解しやすくするという狙いがあるのですが、
架空の決算書を使うと、その決算書を発表する企業自体が架空（=存在しないこと）になるんですよね。
確かに、複雑なデータを省略してスッキリまとめることで、決算書の基本的な仕組みは学びやすくなると思うのですが、
「この会社はどんなビジネスをしているから、こういう数字になるのか」という実際の経営とのつながりをイメージしづらいという難点があります。
その点、この本で紹介されるのは、すべて実在する企業の決算書で、しかも、誰もが知っている超有名企業ばかりです。
そのため、「この企業はこういう事業をしているから、この決算書の数字になっているんだな」と、ビジネスモデルと決算書を自然に結びつけて考えやすくなっています。
架空の例ではなく、リアルなデータをもとに学べるので、より実践的な知識が身につきますし、頭にもスッと入ってきやすい印象がありました！
その他に書かれていることは？
ここまでで「決算書について楽しく学べる本」だということはご理解いただけたかと思います！
加えて本書では、各決算書単体の解説だけでなく、下記についても触れられていました。
- 貸借対照表（B/S）と損益計算表（P/L）のつながり
貸借対照表と損益計算表のつながり
もちろん、貸借対照表単体でも、損益計算書単体でも、それぞれの財務諸表から会社の経営状況やビジネスモデルを読み取ることはできます。
しかしながら、複数の決算書を組み合わせて見ることで、より会社の経営状態についての理解を深めることができるのです。
本書では、貸借対照表（B/S）と損益計算書（P/L）の2つの繋がりについて書かれているのですが、
一通り読み終えた私なりに、以下のような推測ができるのかなーと思いました。
貸借対照表の純資産内の利益剰余金は、損益計算書の利益の一部が反映される。
損益計算書の利益の内、どのくらいが利益剰余金として、貸借対照表の純資産に積まれているかを見る。
利益の大部分が配当等に回され、利益剰余金が少ない。
→ その会社は今すぐの利益還元を重視していそう。
結果と推測パターン②
利益の多くを利益剰余金に回し、事業の成長や投資に使おうとしている。
→ その会社は長期的な成長を目指していそう。
以上のように、2つの表を合わせて読むことで、会社が株主への還元を優先しているのか、長期的に見たた成長を優先しているのか、経営の方針がイメージしやすくなります。
上記の推測はあくまで私が本を読んだ感想なので、プロの方が見ると見当違いな推測かもしれませんが、
決算書の「け」の字もわからなかった私がここまで考えられるようになったのも、本書のとっつき易さ、読みやすやがあったからこそだと思います。
最後に
以上、書籍『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』のご紹介でした！
正直、この本を読む前はここまですんなり理解できると思っていなかったので、私自信、驚いてます。
改めてこの本を選んで良かったと思いますねー。
難しそうな文字と数字ばかり並んでいる決算書だからこそ、
初学者の方は特に、読み易さ抜群のこの本を一冊目の学習書として選んでみてはいかかでしょうか。
この本一冊で決算書の細部まで全てを理解することはできませんが、全体的なイメージを掴むには最高の一冊だと思います。
以上、ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました！
それでは！
